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美容師のハサミの持ち方!基本から練習方法まで徹底解説
2024.08.22

美容師のハサミの持ち方!基本から練習方法まで徹底解説

美容師として成功するためには、技術力が欠かせません。その中でも、最も基本となるのがハサミの扱い方です。適切なハサミの持ち方と使い方を習得することで、お客さまに満足していただける髪型を提供できるでしょう。本記事では、美容師のハサミの持ち方について、基本から応用まで詳しく解説していきます。

 

美容師の基本のハサミの持ち方

美容師にとってハサミは、最も重要な道具の一つです。適切な持ち方を身に付けることで、正確で効率的なカットが可能になります。まずは、基本的なハサミの持ち方から見ていきましょう。

 

基本のハサミの持ち方

美容師の基本的なハサミの持ち方は、親指と薬指を使用します。親指をハサミの下の穴に、薬指を上の穴に入れます。人差し指は、ハサミの刃の付け根あたりに軽く添えましょう。この持ち方により、安定感のある細かな動きが可能になります。

 

中指と小指は、ハサミの持ち手部分を支えるように軽く曲げます。これにより、手全体でハサミをコントロールすることができます。初めのうちは少し違和感があるかもしれませんが、慣れるまで繰り返し練習することが大切です。

 

ハサミの動かし方

ハサミを動かす際は、基本的に親指で開閉を行いましょう。両方の指を動かすと、動刃と静刃を同時に動かすことになるため、動作が不安定になってしまいます。

 

ハサミを動かす速度は、カットする髪の量や髪型によって異なります。細かいカットや繊細な作業を行う場合は、ゆっくりと慎重に動かします。一方、大まかなカットや量を落とす作業では、やや速めの動きが効果的でしょう。

 

ハサミの持ち方の種類

 

美容師のハサミの持ち方には、いくつかの種類があります。それぞれのテクニックを習得することで、さまざまなヘアスタイルに対応が可能です。

 

アウトサイドカット

アウトサイドカットは、手のひらを自分から見て外側に向くようにハサミを持つカット方法です。親指は軽く引っ掛ける程度にし、薬指の第二関節付近にハサミを置きます。ハサミを人差し指の付け根で固定できるので、安定したカットができるでしょう。アウトサイドカットはこの持ち方により、特にボブスタイルやレイヤーカットなど、髪の外側のラインを整える際に有効です。

 

この技法では、ハサミの刃先を使って細かな調整を行うことが多いため、刃先のコントロールにも慣れる必要があります。

 

インサイドカット

インサイドカットは、手のひらを内側に向けてカットする方法です。インサイドカットは、髪の内側の量を調整したり、レイヤーを入れたりする際に使用されます。この技法を使うことで、髪に自然な動きや軽さを出せるのです。

 

インサイドカットを行う際は、ハサミの角度が重要になります。薬指のみを動かして親指は固定しましょう。

 

コームの持ち方

美容師にとっては、ハサミだけでなくコームの使い方も重要です。コームは、髪を整えたり、カットする部分を決めたりするのに欠かせない道具です。コームに人差し指、中指、薬指をのせ、親指と小指でコームを支えるように持ちましょう。この持ち方により、コームを自由自在に操ることができます。

 

コームとハサミを同時に使用する際は、利き手ではない方でコームを持ち、利き手でハサミを持ちます。そうすることで、髪をコームで整えながら、ハサミで正確にカットすることができるでしょう。

 

コームの動かし方も、カットの質に大きく影響します。コームを髪に入れる角度や、コームを通す速度を調整することで、さまざまなカットの効果を生み出すことができます。例えば、コームを立てて使うと、よりシャープなラインが作れます。一方、コームを寝かせて使うことで、柔らかい印象のカットラインを作れるでしょう。

 

こまめな練習が大事!基本の練習方法

ハサミの持ち方や使い方を習得するには、継続的な練習が欠かせません。ここからは、効果的な練習方法をいくつか紹介します。

 

新聞紙を使う

新聞紙を使った練習は、初心者にとって非常に効果的とされています。新聞紙は髪の質感に近く、コストもかからないため、理想的な練習材料なのです。まずは、新聞紙を細長く切り、それを髪に見立ててカットの練習を行います。直線的なカットや曲線的なカット、さらには段差をつけるカットなど、さまざまな技法を試しましょう。

 

新聞紙を使った練習では、カットラインの正確さだけでなく、ハサミを開閉するリズムや、手首の動きなども同時に練習できます。また、カットした結果がすぐに目に見えるため、自身の技術の進歩を実感しやすいという利点もあります。

 

練習を始める際は、まず大きな動きから始め、徐々に細かい動きへと移行していくことをおすすめします。例えば、最初は10cm幅の新聞紙を使って直線的なカットの練習を行い、慣れてきたら5cm幅、さらには1cm幅へと移行していきます。こうすることで、手の動きがより繊細になり、精密なカットができるになるでしょう。

 

正しい姿勢を心がける

ハサミの持ち方や使い方の練習と同時に、正しい姿勢を身につけることも重要です。正しい姿勢は、長時間の作業による疲労を軽減し、より正確なカットを可能にします。

 

基本的な姿勢は、両足を肩幅に開いて背筋を伸ばした状態です。肩の力を抜き、腕を自然に下ろします。この姿勢により、体全体でバランスを取りながら安定したカットができるでしょう。

 

カットを行う際は、お客さまの頭の高さに合わせて自分の位置を調整することが大切です。また、必要に応じてお客さまの周りを移動したり、椅子の高さを調整したりしましょう。そうすると、常に最適な角度でカットを行うことが可能です。

また、長時間の作業による腰や肩の痛みを防ぐため、適度に休憩を取ることも忘れないようにしましょう。短い休憩であっても、体を伸ばしたり、軽い体操をしたりすることで、疲労を軽減できます。

 

手の筋肉を鍛える

美容師の仕事は、手先の細かい動きが必要とされます。そのため、手の筋肉を鍛えることも重要な練習の一つです。

 

手の筋肉を鍛える簡単な方法として、ハンドグリッパーの使用があります。これは握力を鍛えるための道具のため、定期的に使用して鍛えることで、ハサミを長時間使用しても疲れにくい手の力を養えるでしょう。

 

指の柔軟性を高めるストレッチも効果的です。例えば、指を一本ずつゆっくりと曲げ伸ばしする運動や、手のひらを合わせて指を開閉させる運動などがあります。これらの運動を日常的に行うことで、指の動きがよりスムーズになり、繊細なカットが可能になるでしょう。

 

また、ボールを使った練習も有効です。小さなゴムボールなどを使い、指先で転がしたり、つまんだりする動作を繰り返すことで、指先の感覚と制御力を向上させられるでしょう。

 

これらの練習は、美容師としての技術力向上だけでなく、手指の健康維持にも役立ちます。

 

自分にあったハサミの選び方

適切なハサミを選ぶことは、美容師の技術を最大限に発揮するために非常に重要です。自分に合ったハサミを選ぶことで、より快適に、より高度な技術を駆使できるでしょう。

 

自分の手の形に合わせる

ハサミを選ぶ際、まず考慮すべきは自分の手の大きさと形です。ハサミのハンドル(持ち手)部分が自分の手に適しているかどうかを確認しましょう。

 

手が小さい場合は、ハンドルが小さめのハサミを選ぶと良いでしょう。逆に、手が大きい場合は、ハンドルが大きいハサミの方が扱いやすいかもしれません。また、指の長さによっても適するハサミの形状が異なります。指が長い場合は、やや長いハンドルのハサミが、一方で短い場合は、コンパクトなハンドルのハサミが適しているでしょう。

 

ハサミを手に取り、実際に開閉してみることも大切です。スムーズに開閉でき、指に違和感がないものを選びましょう。長時間使用しても疲れにくいハサミを選ぶことで、作業効率が上がり、より良い仕上がりが期待できます。

 

カット手法で選ぶ

美容師が主に使用するカット手法によっても、適するハサミは異なります。例えば、スライドカットを多用する場合は、刃が薄く、切れ味の良いハサミが適しています。一方、ブロッキングを主に行う場合には、やや重めで安定感のあるハサミが適しているでしょう。

また、テクスチャリングやシャギーカットを多く行う場合は、セニングシザーズ(すきバサミ)の選択も重要となってきます。セニングシザーズには、さまざまな歯の形状や間隔のものがあるため、自分の好みや得意なカット技法に合わせて選ぶことが大切です。

 

さらに、左利きの美容師の場合は、専用の左利き用ハサミを選ぶことをおすすめします。左利き用ハサミを使用することで、より自然な姿勢でカットを行うことができ、作業効率も向上するでしょう。

 

客層で選ぶ

美容師が主に対応する客層によっても、適するハサミは異なってきます。例えば、主に女性客を対象とする場合は、繊細なカットや細かい作業が多くなるため、軽量で扱いやすいハサミが適しているでしょう。

 

一方、主に男性客を対象とする場合では、太い毛や硬い毛を扱うことが多くなるため、やや重めで切れ味の良いハサミが適しています。また、子ども向けのカットを主に行う場合は、安全性を考慮し、先端が丸みを帯びたハサミを選ぶことも一つの選択肢です。

 

高齢の客が多い場合は、静音性の高いハサミを選ぶと良いしょう。ハサミの音が気になる方もいらっしゃるため、静かに作業できるハサミを使用することで、よりリラックスした雰囲気でカットを行うことができます。

 

ハサミの選び方は、美容師としてのキャリアが進むにつれて変化していくこともあります。技術力の向上や、扱う客層の変化に応じて適宜ハサミを見直し、必要であれば新しいものを導入することも大切です。

 

ハサミの基本の持ち方を練習しよう

美容師にとって、ハサミの扱いは技術の基礎であり、キャリアを通じて磨き続けるべき重要なスキルです。適切な持ち方と使い方を習得することで、より正確で効率的なカットが可能となり、お客さまの満足度向上につながるでしょう。

 

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